メルヘン社
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M・C・エッシャー
-その生涯と全作品集-
編著: J. L. ロッヘル
訳: 坂根巌夫
仕様: 30×24判 356頁
定価: ¥20,790(本体 ¥19,800)
ISBN: 4-943988-16-4
内容: 「私は精神も心も版画家ですが、“芸術家”という言葉には困惑を感じます。」

 M.C.エッシャーは、「平面の正則分割」という独特の作風で知られるオランダの版画家。ジグソーパズルのように隙間なく並んで交錯する魚や鳥の不思議な絵を、ご覧になったことのある方も多いのではないだろうか。

 この本は、そうしたM. C. エッシャーの版画作品のすべてを網羅した、貴重な伝記である。M. C. エッシャーの作品とともに、M. C. エッシャーをとりまく人々の残した記録をたどることで、生涯「版画家」としての生き方を貫いた1人の表現者の姿を浮かび上がらせている。

「私の作品では、私たちが美しく秩序ある世界に生きていること、時として一見そう見えるような、規範のない混沌のなかに生きているのではないことを表現しようとしています。」

 建築学校に通うなかで木版画に目覚めたエッシャーは、旅先で出会ったアルハンブラ宮殿の装飾に影響を受け、以後M.C.エッシャーの代表作となる「平面の正則分割」の連作に取り組んでいくことになる。筆まめだった父親の記録をはじめとして、エッシャー自身の講演原稿や、長年にわたって書き続けられた息子への手紙などからは、彼の作品が評価されるに至るまでの経緯だけでなく、感受性豊かな彼の人柄、世界観までもがいきいきと伝わってくる。

 また、エッシャー自身が解説する「平面の正則分割」についてのエッセイのほか、M.C.エッシャーの木版画に造詣の深い数学者による作品分析も収録され、研究資料としても必携の一冊に仕上がっている。引きこまれるような美しい作品の数々はもちろん、1人の人間としても魅力的なエッシャーその人との出会いを存分に味わうことができる。

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