| 										  | 																																														| グスタフ・クリムト | 												 																									| 著: | 													アレッサンドラ・コミーニ | 												 																									| 訳: | 													千足伸介 | 												 																									| 仕様: | 													28×20判 112頁 | 												 																									| 定価: | 													¥5,040(本体 ¥4,800) | 												 																									| ISBN: | 													4-943988-15-6 | 												 																									 | 													 | 												 																									| 内容: | 													 本書は、同一著者による「エゴン・シーレ」(千足伸行訳・メルヘン社発行)と双書を成しており、本書は絢爛豪華なクリムト特有の金色のカラー刷りの挿絵を中心とした「美術書」である。 															 															 いわゆる世紀末芸術に対する関心の高まりは最近著しいものがある。”世紀末芸術”という言葉自体、今でもその定義は甚だ曖昧であるが、少なくともそれが特定の流派でもイズムでも様式でもないことは確かである。強いて言えば、フランス印象派とそ系譜を除いた、アール・ヌーヴォーないしは印象主義的な芸術ということになろうが、クリムト、シーレを中心とする世紀末から第一次大戦にかけてのオーストリア芸術がにわかに脚光を浴び出したことも、この時代全体に対する再評価、再検討と深く関わっている。 															 															 特にクリムトの場合、その芸術には分離運動が象徴される近代主義的な側面と、当時の象徴主義、あるいは歴史主義(ネオ・ルネッサンス、ネオ・バロック等)に根ざした伝統しゅぎてきbな側面とがあり、こうした異質の性格の絡み合いが、クリムトの芸術の絢爛たる装飾性とも相まって多くの人々をひきつけている。それだけにクリムトとその周辺にかかわる研究、評論、画集の中でも本書は第一に薦められるものである。 															 															 限りあるスペースの中でクリムトの全体像に迫ろうとする本書は、作品の解釈や歴史的コンテクストの中での位置づけ、過去の歴史様式との対応関係などにしばしば鋭い、独自の見解を見せている。またフロイト、カール・クラウス、クラフト・エビング、アドルフ・ロースなどウィーンの世紀末を代表する人物あるいは彼らの思想とのかかわりあいにも留意し、いわばクリムトの精神的な位置づけも試みている。 															 														 | 												 											 																					 | 										 |